網嚢・Infracardiac bursa (ICB) の形成
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網嚢の形成

Infracardiac bursa(IBC)
Netterの解剖図では食道胃接合部の右側には主に食道裂孔下の脂肪輪や横隔食道靭帯といったもののみが記載されており、閉鎖腔の記載はありません。これはその他の現代の著名な解剖書においても同様です。過去には1952年に死体解剖を元にした解剖図でこの空間をinfracardiac bursa(ICB)として記載した成書は存在しますが、この解剖図でICBは横隔膜より腹腔側かつ横隔食道靭帯の内部に描かれております。Netterの解剖図でいいますと、このあたり食道裂孔下の脂肪輪の直上に描かれております。内視鏡手術で認識される閉鎖腔は食道右側で横隔膜付着部より胸腔側に観察されますので、この解剖図とは位置関係が異なります。
そもそも、このICBという空間は発生学において1904年にBromanにより名付けられた空間です。1938年の彼の報告では、網嚢の発生は食道・胃と右肺・肝臓を隔てる一続きの陥凹がもとになっており、(click)それらは右肺腸陥凹、肝腸陥凹、膵腸陥凹と名付けられております。さらに、その発生過程で(click)横隔膜の形成により陥凹の最も頭側に位置する右肺腸陥凹から分離された空間がICBです。また、過去の報告ではこのICBは発生過程で消退する個体があり、その遺残率は50-80%とされています。


