下部食道括約筋の初期発達過程;Congenit Anomに掲載
従来、下部食道括約筋 (lower esophageal sphincter, LES)は、成人では横隔膜の脚部と重なって位置する「生理的括約部」として知られていますが、その胎児期における発達過程は十分に明らかにされていません。本研究では、ヒト胎児期におけるLESの形成過程を、7テスラMRIを用いた三次元解析により詳細に検討しました。受精後9〜13週相当(頭殿長34〜103 mm)の24体を対象に、食道下端(LES部)とその頭側領域における外径および内腔径を比較した結果、特にLES部では内腔が相対的に狭くなり、壁の肥厚が顕著であることが明らかになりました。これらの変化はおおよそ頭殿長70 mm(10週頃)から認められ、形態的成熟が機能的成熟に先行することが示唆されます。
Kanahashi T, Matsubayashi J, Imai H, Otani H, Takakuwa T. Morphological Changes in the Lower Esophageal Sphincter During Early Human Fetal Development. Congenit Anom, 2025, e70032, https://doi.org/10.1111/cga.70032.

